色黒大阪人が気ままにつぶやくブログ

色黒で大阪人で人事(過去形)な僕がなんかつぶやきます。

ベンチャーで感じる論理と感覚の振り子のお話

新卒時代からずっと「ベンチャー」と呼ばれる企業で働いてきている。

この「ベンチャー」という言葉の定義は引き続き曖昧なので、アレですが、

新卒で入社した会社も、そのあとの会社も、今も、あるいは一時的にお手伝いをさせていただいた会社も、

過去籍を置いたことのある会社はすべて「ベンチャー」を自称していたし、客観的に見ても「ベンチャー」と呼ばれていたと思う。

ベンチャー」の定義の1つ、特徴の1つに

  • 事業及び組織の成長スピードが速い
  • (それに伴って)変化が速い

というものがあると思う。

その結果、退職者が一定出たり、逆に組織のフェーズに必要な人材を採用したりと、人の出入りが激しいのも1つの特徴である。

0-1のフェーズにおいては何より実行力が求められる

世の中に必要であるサービス、お金になるビジネス、誰も思いつかなかったようなアイデア、入り口は様々あれど、それを「実行する力」が求められる。

良いアイデアを持っていても実行できなければ一円にもならないからだ。

もちろん、そこには一定の論理・裏付けはあるが、どちらかというと「感覚」「感性」「情熱」に近いものを創業メンバーは持っていることが多い。

1-10のフェーズにおいては仕組みづくり・汎用性が求められる

これから会社を大きくしていく、事業が成長していくにあたって、創業メンバーの「感性」だけではリソースが足りず、それを裏付ける「論理」「仕組み」が必要になってくる。

感覚<論理となることも多いため、ある意味これまでやってきたことが否定される側面もあり、ここで創業メンバーが去ることも多いし、社外から優秀なスタッフを採用することもある。

ちなみに僕はこの辺の「仕組みづくり」「制度設計」「脱属人化」みたいなところが強みみたいです。

10-100のフェーズは多様化と安定が求められる

仕組みをしっかり整えた会社は大きく成長するために、これまでになかった職種の採用や、新規事業の立ち上げなどを行うため、社内に抱える人材や状況は「多様化」してくる。

一方で、より大きな組織になることから、基盤を並行してさらに強固に整える「安定」の作業を並行して行う必要も出てくる。

ここの動きは割りとその組織によってそれこそ「多様」で1つではくくれないものの、ただ、「1-10」でやってきた「仕組みづくり」などの「今の延長線上」だけではスケールしないんだなあと感じるのは間違いない。

組織フェーズは振り子である

そんな組織のフェーズとともに、必要な人材や求められる能力は振り子のように行ったり来たりするのではないかと思う。

よく、「創業期のメンバーがいなくなるのは仕方ない」とか「会社の成長についていけない」などという言葉で片付けられてしまうのだが、

会社の成長や変化は一次関数的な成長「直線」でも、二次関数的な成長「曲線」でもなく、「スイングアップ」していくものなのではないか?と思うのだ。

文字だけでは伝わらない気がしたので、僕の脳内にある拙い図(製作時間5分)を置いておく。

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スイングアップ

もちろん、振り子の勢いに負けて飛び出てしまう人は出てくるだろう。

でも、それはその人が間違いなく「必要ない」のではなくて、そのときの波に飲まれた(あるいは飲まれずに漏れた?)だけのことなのだ。

 

寄せては返す振り子だからこそ、時々、思うのだ。

「あの人がいてくれたらなぁ」と。

 

少し前までは「俺も懐古的になったなぁ」とか

「昔の方が良かったとか老害なのか?俺。」

と自分自身の感覚に否定的だったのだが、最近はその「懐古」も必然なのではと思うのだ。

だからこそ、世の中には「アルムナイ」

アルムナイ(アラムナイ)」(alumni)はalumnusの複数形で、本来は「卒業生、同窓生、校友」の意味。 転じて、企業の離職者やOB・OGの集まりを指します。 海外では、企業が一度は自社を離れたアルムナイを貴重な人的資源としてとらえ、これを組織化し活用する事例が少なくありません。

元社員に対して会社側が継続的にコミュニケーションをとり、優秀な人材の再雇用につなげるなどの施策を「アルムナイ制度」と呼び、近年は日本でも注目を集めています。(コトバンクより引用)

みたいな言葉もあって、かつてお世話になった会社に再度戻ってくる、ということもあるんだと思う。

 

寄せては返す振り子に振られながら、2022年も頑張ろうと思う。