色黒大阪人が気ままにつぶやくブログ

色黒で大阪人で人事(過去形)な僕がなんかつぶやきます。

インターンとアルバイトと採用と

お世話になっている方が「インターンとアルバイトの定義」についてチラッと書かれていたので相乗りします。
人の話に乗るって大事ですよね。

はじめに~この記事を書く目的~

インターンとアルバイトの違いよくわかんないし、企業も学生もそれぞれ良いように解釈して「ふわ~っと」やってるから、変な齟齬生じてない?と思うわけです。
インターン自体は学生という身分のまま就業経験が出来るという意味で、

  • 就職におけるミスマッチを防ぐ
  • 学校だけでは得られない経験を得られる

などといった魅力のある広げていくべき取り組みのはずです。

そんな取り組みが、定義や運用の曖昧さでむしろマイナスになってしまうのだとすれば、それは早めに歯止めをかけたいな、ということで本記事にいたりました。

国の方針を調べてみる

現在は厚労省文科省経産省の連名のような形で、国家としてもインターンシップを推奨している状態です。なのでそのあたりの文書をざっくり読んでいくと、国としては

  • 就業体験の提供
  • 大学等の教育の一環

という2つはインターンシップの推奨に伴って、かなり重視される軸になっているようです。

インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」

インターンシップの普及及び質的充実のための推進方策について」

などなどを読んでみると色々勉強になりますね。

インターンシップは教育であり、労働でない→無給

上のような国の方針を踏まえると、

インターンシップ=無給

というのが自然な解釈になるでしょう。
大学の授業を受けるときに「時給1000円もらってます」みたいな人がいないのと同じです。逆を返せば、教育であって労働でない、というのも重要な観点だと思います。

アルバイトは労働だから有給

アルバイトが労働であるのは間違いないですよね。雇用契約も結んでいるはずですし。
コンビニでレジのバイトするのと同じです。
その労働自体が自分の役に立つかどうかはさておき、「これをやってください」というオーダーに対して労働を行うことで給料をもらう、わけです。

この

インターン:無給
アルバイト:有給

という図式は動かしてはいけないものだと思います。

これを基準に何を得たいかによって参加するものを決めればいいだけですね。

金よりも経験だ、ならインターンだし、

ひとまずお金だ、ならアルバイト。

ただそれだけの話。何も難しいことはないはずです。

有給か無給かは価値のバランスに過ぎない

「いやでも俺は経験もお金も欲しいんだ」

分かる。とても分かる。
家庭的・金銭的な事情、プライドそのほか色々あるでしょうけど、とても分かる。
僕もそう思ってた。
そして今はっきり言いたい。

「君にそれだけの価値があるならお金払ってくれる場所はいくらでもあるよ」

と。
無給か有給かを決める基準の1つは、お互いのGIVEの量を天秤にかけた時にどうなるか、でしょう。働き始めて、その給与の度合いを決めるのももちろんこれ。

インターンとして会社が提供する「教育」以上に、何か具体的なものを会社に「GIVE」出来るのであればお金もらっていいと思います。ただ、そのジャッジはメチャメチャ厳しいことを少し感じてほしい。
教育担当として1人メンターがつくのだとすれば、その人の時間をもらっているわけで、

  • メンターの給料
  • ツールなどを用意するのにかかる時間的・金銭的コスト
  • メンターが実業務にあたっていれば発生していたであろう仮想売り上げ

などなどをあなたのために掛けてくれているということ。
それを上回る「GIVE」をあなたが出来ているのであれば、自ずとお給料をもらえる話になるのでは、と思うのです。

ここで言いたいのは、自分の知らないところで自分になされている投資って想像以上に大きいということです。それさえ感じられればある意味十分。

「有給」で釣るな釣られるな、「インターン」で釣るな釣られるな

僕が有給のインターンという表現に否定的な理由の1つがここ。
「有給インターン」って言いながらただの労働(=アルバイト)やん、って話をチラホラ聞くからです。

有給って言えば学生が来てくれるだろう、という浅はかな知恵で、学生からリソースを搾取している構図に思えてならないのです。

ちなみによく言う「インターン行っていれば就活有利」みたいなのって、もうかなり形骸化しかけていますよね。というのも、以前はインターンはまだ世間一般すべてに適応されるのではなく、優秀な人の証、みたいなところがありましたが、良くも悪くも市民権を得た今ではもはや形式美になりつつありますね。
そんな今だからこそ、学生としての時間を投資してでも過ごしたい場所にその身を置いてほしいと思います。

まとめ

話は脱線しましたが、お互いにとって不幸な事態、つまりは抜け道がある状態をすこしでも潰していって有益にするには、言葉を定義することが大事です。
今は違和感あったとしても、

みたいな概念を唱え続けることが重要だと思いますね。
それに付随して、学校で言う給付型の奨学金じゃないけど、一部きわめて優秀な人にはインターンでもお金が支払われるようにすればいいのですよね。
ただここで「有給インターン」とか言い始めると定義がまた曖昧になるので、新しい言葉を作るといった工夫は必要かもしれませんが。

そんなこんなで今週もスタート。
楽しく今年最後の1週間過ごしていきましょう。