就活生がまず最初に考えることなのではないか。
自分が大手に行くべきかベンチャーに行くべきか。
僕の場合は割りと即決で「ベンチャー行こう」ってなったけど、それはひょっとするとありがたいことだったかもしれない。
学生さんとかと話をさせてもらうと、
「いやー色黒さんはチャレンジ精神ハンパないですもんね」とか
「バイタリティやばいっすね。さすがベンチャー」とか
「色黒さんくらいじゃないとベンチャーいけないんですかね」とか言ってもらえたりする。
でも、当の本人はそんなにチャレンジャーだと感じていないのが事実だったりする。
僕から見ると大手に行く人の方が超絶チャレンジャーなのだ。
大手で働いたことがないので想像ですが、大手って「せーのっ」で横並びでスタートしているイメージ。
皆同じように研修を受けて、同じようにOJTして(されて?)同じように成長していく。
その中で優劣もつくんだろうけど、僕にはそこで「出る杭」になれる自信がなかったりする。たぶん平均か、まあ頑張ってそのちょい上くらい。
母数が多い分、自分より下も上も絶対数として多いだろうし、自分より上の人を見ても「まあ世の中にはそういう人もいるやろ」って思うし、その一方で自分より下の人を見ると「まあまあやれてるやん俺」って思えるだろう。
なんかそういう感じの自己肯定感で自分を満たして、平均前後ぐらいでずっといるだろう。たぶん抜けられないだろう。
そういう意味ではそこでも尚「出る杭としてやっていける」と思えるような人たちが羨ましいというか、それこそチャレンジャー精神に溢れているなと感じる。
逆に言えば、ベンチャーで例えば同期が8人だとするならば(というかリアルにそうだったな…)その中での相対評価みたいなものが如実に見える。
あ、別に「俺他の人よりできてるぜわーい」って言いたいのではなく、
「英語力はこの人がえぐいな」
とか
「こいつの発想力と突破力には永久に勝てそうもないな」
みたいなことが分かって、
「あ、この中だとしゃべる能力でなら勝てそうだ」
って自分の相対的な強み、が分かるようになる。
僕は自分の立ち位置がわからないと不安なんだろう。
自分がどういうときに人の役に立って、どういうのは人に任せたほうが良くて、とかそういうことを認識しながら前に進みたいのだ。
そう考えると冒頭の
「いやー色黒さんはチャレンジ精神ハンパないですもんね」とか
「バイタリティやばいっすね。さすがベンチャー」とか
「色黒さんくらいじゃないとベンチャーいけないんですかね」とか
というのはやはり外れているのだと感じる。
自分は環境に対する依存度が異様に高いんだろうと思っている。
誰と働くかに依存するし、どういう場所で働くかを気にかけるだろう。
横一線で、今どの位置にいるのかもわからず、それでも尚ストイックにいないといけない、そんな大手に行ける人のほうが僕から見るとチャレンジャーだ。
念のために触れておくと、大手に行きたいのか、と言われるとそんなことはない。
自分にとって違和感ない環境を選ぶことの出来る幸せの話。
僕は皆がいろいろ言ってくれても、自分をそうは捉えていなくて、ただそこにあるのは
「俺にはこれくらいの人数が合ってるな」とか
「こういう空気を持った人と働いているとワクワクするな」ということだけ。
人から「チャレンジ精神があるね」と言ってもらえる僕はベンチャーを選んでいる。
でもそんな僕が「チャンレンジ精神がある」と思うのは、大手を選んだ友人や後輩たちだ。
就活やキャリア選択でよく叫ばれる「チャレンジ精神」とか「安定志向」とかそういう色んな言葉は、その人の「価値観」というフィルターで色んな意味に簡単に変わる。
そしてその「価値観」もまた、環境や出来事で簡単に変わるものだったりする。
変わるかもしれない「未来」なんて考えたところで答えなんかでないし、「現在の価値観」で「決める」しかないのだ。
違ったらまた他の道に進むことを「決める」、ただそれだけ。
最後に、欅坂46の平手友梨奈さんがCMで言っていたセリフをそのまま引用して終わります。
この世界に踏み込んで、見えてきた世界。
良いことも悪いこともある。苦しいことも楽しいことも。
~中略~
熱くなるし、衝突もあって、良い青春というのが送れない可能性もある。
正解も間違いもない。